https://www.nikkei.com/article/DGXZQOFL20C8K0Q5A820C2000000

NY株ハイライト「生成AI、95%が利益得ず」過熱ハイテク株冷や水

【NQNニューヨーク=横内理恵】米株式市場でハイテクセクターの下げが相場の重荷となり始めた。20日はハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数が続落し、この2日間で2%も調整した。人工知能（AI）ブームの勝者として相場上昇をけん引してきた半導体などハイテク株に利益確定を目的とした売りが増えており、ダウ工業株30種平均の最高値更新を阻む要因にもなっている。

20日の米株式市場ではハイテク大手7社「M7」の一角でAI銘柄の代表格とされるエヌビディアが続落し、この日までの2日間で株価は3.6%安となった。他のM7銘柄をみてもテスラとアマゾン・ドット・コムがこの2日間で3%超下げたほか、残りの4銘柄も全て下落した。

多くの機関投資家が運用の参考指標とするS&P500種株価指数の構成銘柄をみると、2日間の下落率が最も大きかったのはデータ分析プラットフォームのパランティア・テクノロジーズだ。パランティア株はこの間に10%安となり、20日には12日につけた上場来高値からの下落率が一時25%に達した。

パランティアは4日発表した2025年4～6月期決算で改めて成長期待が高まり、株価が昨年末から2.5倍となったほか、予想PER（株価収益率）も200倍を超えていた。20日に米CNBC番組に出演したジェフリーズのアナリスト、ブレント・ティル氏が「（業績などの）ファンダメンタルズ（基礎的条件）に問題はないが、株価にはかなりの下げ余地がある」と語るなど過熱感は強まっていた。

この2日間のハイテク株売りの一因になったと市場で指摘されているのが、米マサチューセッツ工科大学（MIT）の研究機関が出したリポートだ。「生成AIを導入した95%の組織が投資から利益を得られていない」という内容で、今のAIブームが多くの企業の利益につながるか疑問を投げかけている。

英紙フィナンシャル・タイムズ（FT）は19日、MITのリポートとあわせてオープンAIのサム・アルトマン最高経営責任者（CEO）が前週に「一部投資家は多大な資金を失う」と予想してAIバブルに警鐘を鳴らしていたことも取り上げた。このところAI関連投資がいっそう過熱する傾向にあり、開発担当者に巨額の報酬を提示する人材獲得競争も激化している。

ジェフリーズのティル氏は個人による「チャットGPT」などの利用にとどまらず、企業向けソフトウエアで生成AI導入が加速するのは「25年ではなく、26～27年」と予想。AIの活用によって企業が早い段階で高いROI（投資収益率）を実現できるという市場の見方が「行き過ぎている」と指摘する。

AIのインフラを担う半導体関連株も足元は振るわず、フィラデルフィア半導体株指数（SOX）は20日までの5営業日で4%あまり下落した。トランプ米政権がインテルに加え、22年に成立したCHIPS・科学法に基づいて補助金支給を受けるマイクロン・テクノロジーや台湾積体電路製造（TSMC）などの株式取得を検討しているとも伝わり、19日に株価が急伸していたインテルも20日は一転して7%安となった。

米政府はエヌビディアやAMDによる中国向けAI半導体の出荷を認める代わりに、売上高の15%を受け取ることで前週に合意したばかり。ベッセント米財務長官は同様の仕組みを他の産業にも広げることに意欲をみせていた。米政府は経営に干渉しないとみられてはいるものの、今後発動される可能性がある分野別の半導体関税も含めて半導体セクターには政府の関与を巡る不透明感が強まっている。

米連邦準備理事会（FRB）が9月にも利下げを再開するとの観測が支えとなり、20日はナスダック指数やパランティア株も売りが一巡すると下げ渋った。だが、市場では「ハイテク株は収益改善など好材料をほぼ織り込んだ」（CFRAのサム・ストーバル氏）との声もある。米株高をけん引してきたAI銘柄の先行きを見極めたい市場の視線は来週のエヌビディア決算に集まる。

The GenAI Divide STATE OF AI IN BUSINESS 2025

https://mlq.ai/media/quarterly_decks/v0.1_State_of_AI_in_Business_2025_Report.pdf

Just 5% of integrated AI pilots are extracting millions in value, while the vast majority remain stuck with no measurable P&L impact. This divide does not seem to be driven by model quality or regulation, but seems to be determined by approach.